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58.相続税の延納と物納について

相続税の納税方法

相続税も所得税などの他の税金と同様に一定の期限までに金銭で一括納付をすることが原則です。

しかし、相続はある日突然起こった、ということが多いものです。

他の税金と違い突然父親の死亡による相続で、多額の税金を急に支払わなくてはならなくなってしまったりしますが、その場合どうすればよいのでしょうか。

税務署に認められれば、特別に年賦払いによる納付(延納)や、延納でも無理だと認められた場合は相続財産そのものによる納付(物納)の方法があります。

延納・物納いずれの方法も、税務署が認めたら許可されます。

納税者が申請しただけでは認められません。

いつまでに納付するのか

相続税の申告・納税は、相続や遺贈で財産をもらった人全員の正味の遺産額の合計額が、基礎控除額(3,000万円+600万円×法定相続人の数)を超える場合に必要となります。

相続税の申告書の提出先は、故人の住所地を所轄する税務署です。

財産をもらった人の住所地ではありません。

相続税の申告・納税は、死亡の日の翌日から10ヶ月以内に行わなくてはなりません。

納付期限内の意味を具体例で見ていきましょう。

「父が1月15日に亡くなったので、相続税の納税期限は11月15日になると思うのですが、その日は日曜日でした」

この場合、翌日の11月16日が期限となります。

つまり原則10ヶ月以内ですが、最終日が休日の場合にはその次の日となります。

納付が遅れてしまった場合には、延滞税として利息がかかります。

10ヶ月の期限を過ぎると、延滞税としてその翌日から実際の納付した日までの間について年2.8%の割合(2ヶ月を経過した日以後は9.1%)で計算した延滞税がかかります(期限内申告をした場合)。

申告漏れの場合

亡くなった日から10ヶ月経過すると、税務署から申告が適正かどうか調査されることがあります。

その調査により申告漏れが明らかになった場合、加算税がかかってしまうことがあります。

具体的には、本来納付すべき税額に、次のような分類ごとの割合の額の税額が加算されます。

①相続税の申告書を期限内に提出しなかった場合は、納税額のうち50万円までの部分に15%、50万円を超える部分に20%(自主的に期限後申告した場合には5%)

②本来の税額より少なく申告した場合は納税額のうち納税額と50万円のいずれか多い金額までの部分に10%、納税額と50万円のいずれか多い金額を超える部分に15%(自主的に修正申告した場合にかかりません)

③納税者が相続税額計算の基礎となる事実を仮装していた場合には、過少申告加算税に代えて35%の重加算税がかかります。さらに延滞税がかかります。

延納とは

納めたくても現金不足のために、納税できないこともあります。

その救済として延納制度があります。

延納とは、いくつかの条件を満たした場合に相続税を一定の利子税を支払う代わりに年賦払いにより支払っていく納税方法です。

その条件とは、以下のとおりです。

①相続税の納税額が10万円を超えていること。

②金銭で一時に納付することが難しい理由があること。

③延納税額及び利子税の額に見合う担保を提供すること(延納税額が100万円以下で延納期間が3年以下の場合、担保は必要ありません)。

④延納しようとする相続税の納期限までに、延納しようとする税額など所定の事項を記載した延納申請書などを税務署に提出すること。

提出の後税務署から許可の通知がくればOKです。

物納とは

納税資金が苦しい場合、物納制度というのもあります。

これは延納によっても相続税を納付することが困難である場合に、相続財産そのものをもって納める納税方法です。

この物納を選択するにあたっても、以下の条件を満たす必要があります。

①延納によっても相続税を金銭で納付することに困難な事情があること。

②物納しようとする相続税の納期限までに、金銭で納付することを困難とする事情や物納に充てようとする財産など所定の事項を記載した物納申請書などを税務署長に提出すること。提出の後税務署から許可の通知がくればOKです。

物納により納付する場合、以下の決まりごとがあります。

①相続した財産であること、②その財産が日本国内にあること、そして、③以下の優先順に従うことです。

(1)国債・地方債・不動産・船舶

(2)(1)を用意できないときは社債・株式などの有価証券

(3)(1)~(2)を用意できないときは動産