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55.相続税には基礎控除がある

相続税を求める

不動産や預貯金などのプラスの財産が評価され、債務などが差し引かれて課税財産が計算されます。

さて、このすべてに相続税がかかるのでしょうか

また、この課税財産総額に税率をかけると、相続税は計算できるのでしょうか。

そういう訳ではありません。さらに法定相続人の数に応じた基礎控除を引くことができます。

税金計算も、一度法定相続分をもらう形で財産を分けたと仮定し、その分けられた財産の金額に応じた税率をかけた額から、控除額を差し引いて税額を算出します。

では、具体的に計算の流れを見ていきましょう。

 

【課税財産が1億円の場合の相続税】

夫婦と子ども2人の4人家族で、旦那さんが亡くなった場合です。

相続財産から債務などを差し引いた課税価格の総額は1億円です。

この場合の相続税はいくらでしょうか。

基礎控除の額

まずは基礎控除の額を計算してみます。

今回のケースでは、法定相続人は妻、子ども2人の合計3人です。

この場合の基礎控除の額は

3,000万円+600万円×3(人)の4,800万円となります。

課税価格の総額からこの基礎控除の額を差し引いて、課税遺産の額5,200万円が算出できます。

法定相続分で分ける

次に課税遺産の総額を法定相続分で分けたと仮定します。

法定相続分とは、民法の規定に従って、各法定相続人が受け取ることができる遺産の取り分です。

遺言がない場合、とりあえず、この法定相続分が各相続人の持ち分になります。

もっとも、法定相続分にはそれほどの拘束力はありません。

実際は、この割合とは異なる割合で遺産を分割しても構いませんが、相続税の計算上は一度この法定相続分で分けたとして計算されます。

今回のケースでは、妻が2分の1、子どもが4分の1ずつ、法定相続分を持っています。

したがって、課税遺産総額は妻の分として2,600万円、子ども2人に1,300万円ずつに分けられます。

税率をかける

次は法定相続分に分けられた課税遺産の金額に、この金額に応じた税率をかけてそれぞれの税額を計算します。

先に分けた課税遺産を相続税の速算表に照らし合わせて、税額を計算してみましょう。

妻の法定相続分の遺産に対する税額は2,600万円×15%-50万円=340万円、子ども2人のそれぞれの税額は1,300万円×15%-50万円=145万円ずつとなり、合計630万円の相続税がかかることになります。

 

【誰がいくらを相続するかで変わる各人の相続税額】

このようにして計算された税額は、実際に相続財産を誰がいくら貰うかによって、各人の負担相続税が決まります。

計算方法はその相続財産総額に対して、貰う財産の割合で相続税を按分し、各人の相続税が決定します。

具体的にみていきましょう。

財産は妻が8,000万円、子ども2人が1,000万円ずつ貰うとします。

この場合、妻は全体の80%を、子どもは10%ずつ貰うことになりますので、妻の相続税額は相続税総額630万円×80%=504万円、子どもは630万円×10%=63万円の相続税を払うことになります。

相続税からの控除と加算

上記のように計算を進めた後、相続税の計算には配偶者の税額軽減や未成年控除など、相続により財産を受け取る側の状況に応じて、相続人個々人の支払わなければならない相続税の額が減る可能性もありますし、または増える可能性もあります。

払う税金がなくなるケース

例えば上記のケースで、子どもは財産を相続しないで、すべての財産を妻が相続して配偶者の税額軽減を受けると、妻が払わなければいけない相続税は0円、つまりまったく税金がかからないことになります。

言うまでもなく相続をしない子どもには相続税はかかりませんので、相続税を払うことはありません。

また、法定相続分の相続財産を子どもが相続するとしても、2人の子どもが8歳と9歳の子だった場合、これも未成年者控除により、230万円が子どもの相続税及び引ききれない部分が妻の分の相続税から差し引かれ、さらに妻は配偶者の税額軽減を受けると同じく相続税はかからないことになります。

このように、誰が、いくら、相続するかによって、相続税は大きく異なります。