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48.相続による故人の確定申告(準確定申告)

準確定申告制度とは

確定申告をする義務のある人が、その年の中途において死亡した場合には、相続人は相続の開始が合ったことを知った日の翌日から4ヶ月以内に、1月1日から死亡した日までの所得を計算して「準確定申告書」を税務署に提出しなければなりません。

また還付申告の場合には、4ヶ月以内の提出が必須ではありません。

相続人が2人以上の場合には、各相続人が連署により準確定申告書を提出します。

ただし、他の相続人の氏名を付記して各人が別々に提出することもできます。

この場合には、他の相続人に申告した内容を通知しなければなりません。

どんなケースで準確定申告が必要か

準確定申告の提出が必要なケースとしては、以下のような場合が考えられます。

①生前に個人事業を営んでいた

②生前に不動産を賃貸していた

③生前に不動産の譲渡をした

④会社の役員または従業員だったが、会社側が死亡時点の年末調整をしなかった

会社側で年末調整を行っている場合は、準確定申告の必要はありません。

上記のケースで所得税を負担するのは、相続人ですが、その負担額は、相続税の計算上、その相続人の財産から債務として控除されます。

また、還付金が発生する場合は相続財産となります。

準確定申告の注意点

準確定申告書の提出期限は、相続の開始があったことを知った日の翌日から4ヶ月以内です。

しかし、確定申告をすべき人が、翌年の1月1日から確定申告期限(原則として翌年3月15日)までの間に確定申告書を提出しないで死亡した場合には、前年分、本年分とも相続の開始があったことを知った日の翌日から4ヶ月以内となります。

準確定申告は、相続人の氏名、住所、被相続人のとの続柄などを記入した準確定申告の付表を添付し、相続人の住所地ではなく、被相続人の住所地の税務署に提出することになります。

被相続人の事業の引き継ぎ(青色申告)

青色申告をしていた被相続人の事業を相続人が承継して青色申告をする場合は、次のそれぞれの提出期限までに、青色申告承認申請書を税務署長に提出しなければなりません。

相続開始日(亡くなった日)が、

①1月1日から8月31日の場合は、相続開始日から4ヶ月以内。

②9月1日から10月31日の場合は、その年の12月31日。

③11月1日から12月31日までの場合は、翌年2月15日。

相続開始日により、準確定申告書よりも提出期限が早い場合がありますので注意が必要です。

所得の計算

準確定申告書は、通常の確定申告書と違い暦年ベースではなく、その年の1月1日から亡くなる日までの期間で計算をするため、日割りや月割りの計算をする必要があります。

さらに、各所得控除も亡くなった日現在で計算されるので、注意が必要です。

医療費控除の対象となるのは、死亡の日までに支払った額です。

死亡した時に入院していて、その入院費を死亡後に支払っても含めることはできません。

ただし、その場合には、相続税の計算上、債務として相続財産から控除できますので、領収書等を保管しておきましょう。

社会保険料、生命保険料、地震保険料控除の対象となるのは、死亡の日までに支払われた金額です。

年払いをしている場合には、月割りで算出をします。

配偶者控除や扶養控除の判定も、死亡の日の現況によります。

青色申告の特典

青色申告承認申請書を提出し承認を受けることができると、次のような特典が得られます。

①青色申告特別控除(65万円または10万円)

②青色事業専従者給与

③前年以前3年間の純損失の繰越控除

納税地(申告書の提出先)

準確定申告書は、その死亡した人の納税地を所轄する税務署に提出します。

原則として納税地は、死亡した人の住所地となりますが、事業を営んでいたのであれば、事業所の所在地となっていることもあるため、過去の確定申告書などで確認をしておきましょう。

青色申告承認申請書は、その提出をする人の住所地を所轄する税務署に提出します。

承認申請の結果の通知がその年の年末までない場合には、その承認があったものとみなされます。